人間は毎日睡眠をとります。
睡眠の質次第で翌日の体調や仕事の効率も変わってきます。
その睡眠の質は、寝具で決まると言っても過言ではありません。
特に枕。
枕は合う合わないもありますし、現在では高性能の枕も数多くあります。
しかし、中には枕を使いたくない、
使わない方がいいのではないかという意見もあります。
そういう意見があるのは、枕を使わずに寝たら、
- 肩こりが改善された
- ストレートネックが治った
- 猫背が治った
という人がいるという事実が背景にあるのです。
枕を使わないことが大正解!?肩こり解消の最終兵器は枕なし睡眠!
パソコンやスマホの普及で、首を自然と前に傾けることの多くなった現代。
そのせいで「肩こり」に悩む人は非常に多いです。
もはや国民病と言っても過言ではないかもしれません。
実は、枕を使わずに寝ることは、この「肩こり」に効果があると言われています。
そもそも「肩こり」とは、筋肉が緊張し、
こわばってしまっている状態のことです。
肩こりの主な原因として挙げられるのは、まず「姿勢の悪さ」。
パソコンの普及により、
今まで手作業で行っていたようなこともパソコンでできるようになり、
長時間同じ姿勢でいることが増えました。
同じ姿勢でいる時間が長くなったことにより、
筋肉が過度に緊張状態のまま固まってしまうのです。
さらに、「運動不足」により、体を動かさなくなることで、
ますます筋肉の緊張がほぐれる機会が減ってしまっています。
また、ストレスにより体全体に力が入ってしまったり、
冷房などにより身体が冷えて血流が悪くなることも肩こりの原因になっています。
これらの原因により身体が傾き、身体の一部分、
主に首や肩まわりに負荷がかかってしまいます。
そして、それが身体のゆがみにつながるのです。
そのゆがみは、枕を使わないことによって改善されます。
枕が高いと首に負荷がかかってしまいますが、
枕を使わないことにより、頭が心臓と同じ高さかそれよりも低い位置になります。
そうすることによって首の負担が軽減され、
血液も心臓より低い位置にある頭(脳)に循環しやすくなります。
単に枕を使わないというだけでも効果はあるのですが、
バスタオルを巻いて筒状にしたものを首の下に置いて寝るのも効果があると言われています。
首の曲線をキープして寝ることができるからです。
寝る時に枕を使わないメリットとデメリットを大検証!
肩こり同様、パソコンやスマホの普及によって悩みを抱える人が増えているのが、
「ストレートネック」です。
本来、首は少しカーブしています。
それが、スマホを見るために頭をずっと傾けてしまうことにより、
その名の通り、首が真っ直ぐな状態になってしまうのです。
枕を使わずに寝ることは、この「ストレートネック」にも効果があります。
枕を使わないことで、自然と首に角度がついた状態で寝ることができるからです。
また、首のしわの防止にも効果的と言われています。
枕を使って寝ると、頭の位置が高くなるので、首にしわができやすいのです。
人前に出るのが仕事である芸能人にも、
首にしわができるのを防ぐために枕を使わずに寝ている方もいるようです。
しかし、枕を使わずに寝ることによるデメリットもあります。
枕を使わずに寝ることは、支えるものがないわけですから、
少なからず首に負担がかかります。
それによって弊害が伴うこともあります。
例えば、寝返りを打つことが難しくなります。
それにより、ずっと同じ姿勢でいることになってしまうので、
背中や腰にも負担がかかります。
その負担を解消しようと、首(頭)は動かさないのに身体は動くという状態になれば、
寝違えてしまう危険性もあります。
また、首に角度がついている状態なので、
気道が圧迫されてしまうこともあります。
そうなると呼吸にも影響が出てしまい、いびきの原因になったり、
睡眠時無呼吸症候群を引き起こしてしまう可能性もあります。
枕を使わないことが猫背を治す?枕なし睡眠が体に与える影響
肩こり、ストレートネックに並び、「猫背」に悩まされている人も非常に多いです。
特に営業など外部の人と接したり、サービス業で接客をする人にとっては、
良くない印象を与えかねない「猫背」。
枕を使わずに寝ることは、猫背改善にも効果があると言われています。
前屈姿勢でいることが多いと、背中の筋肉や姿勢を支える筋肉の働きが低下し、
重心のバランスが崩れてしまうことが猫背の原因です。
重心のバランスがとれた状態というのは、
壁にお尻をつけて立った時に、後頭部・肩甲骨・かかとが壁についている状態です。
この状態は、枕なしでそのままベッドに横たわった状態と同じ姿勢です。
つまり、枕なしの姿勢=重心のバランスがとれた姿勢なのです。
まとめ
人間は、1日の3分の1程度の時間を睡眠に費やしています。
従来は“いかに寝心地がいい枕か”といった観点から様々な枕が発売されてきましたが、
近年では“そもそも枕は必要なのか?”といった考えも出てきています。
もちろん、人それぞれ身体の形などは違うので、
全ての人に共通する枕の正解はありませんし、
枕を使わずに寝ることにもデメリットがないわけではありません。
しかし、「寝る時には枕を使う」という今までの常識に、
こだわる必要もないのではないでしょうか。