日本一の大綱引きで有名な「川内大綱引き(せんだいおおつなひき)」が
鹿児島県薩摩川内市で今年も開催されます。
(本年は9月22日に綱練りと神事のみが執り行われます)
綱の長さはなんと東京タワーの高さを超える365メートル、
重さは7トンにもなる日本一の大綱を、
上半身ハダカの男たち3000人が引き合います。
ただ綱を引っぱりあうだけでなく、
相手側が綱をひくのを体でぶつかって邪魔したり、
それを防ぎつつ相手の引き手を邪魔し返したりしながら、
熱い男たちの怒鳴り声が飛び交うとんでもなく激しいお祭りです。
かつては「けんか綱」なんて呼ばれていたほどですが、
けんかしてもいい祭りとの誤解を招くということで、
現在はそう呼ばないことになっています。
2019年でなんと420回目の開催となり、
鹿児島県の無形民俗文化財にも登録されている、
とても由緒あるお祭りでもあります。
一度は見てみたいと思う人も多いのではないかと思いますが、
今年の川内大綱引きはいつ開催されるのでしょうか?
川内大綱引きは毎年秋分の日の前日に開催されますが、
2022年は9月22日(木)に、綱練りと神事のみが執り行われます。
また雨天決行となっています。
本年は大綱引きが行われないのが残念ですが、
参考までに例年の大綱引きのスケジュールを紹介します。
当日の大綱引きの主なスケジュールは以下のようになっています、
時間 | 内容 |
8:00 | 縄出し開始 |
10:00 | 綱練り開始 |
15:00 | 大綱完成 |
15:30 | 綱出し開始 |
16:30 | イベント |
19:00 | ダン木祭り(神事) |
20:15 | 大綱引き開始 |
22:00 | 大綱引き終了(会場清掃開始) |
川内大綱引きで使う綱は、毎年新しい綱を当日の朝から、
1500人もの人で7時間もかけてつくっていきます。
夕方からはストリートダンスや薩摩川内踊り太鼓などが披露され、
大綱引き前にお祭りのムードが高まります。
そして神事であるダン木祭りが行われ、
五穀豊穣と子孫繁栄を願って神様に祈りが捧げられます。
20:15になると、いよいよ川内大綱引きの開始です。
上方と下方に別れた3000人もの男たちが、
2時間近くも巨大な綱を引き合います。
ただ引き合うだけでなく、様々な駆け引きがあり、
なかなか勝敗は決しません。
しかし、最後は審判により大綱にのこぎりが入れられ、
その時点で綱の中心を持っている方が勝ちとなります。
両軍の大将たちが向き合い、審判により勝敗が宣言されると、
大将たちが握手をし、お互いの健闘を称え合います。
その後、大綱引き会場の清掃が23時まで行われ、
ようやく川内大綱引きの終了となります。
国道3号線が会場なの?川内大綱引きの交通規制は何時から通行止め?
川内大綱引きが開催されるのは国道3号線上です。
2019年は薩摩川内市内の中心を流れる川内川にかかる大平橋から、
北にのびる大小路(おおしょうじ)側になります。
(本年は大綱引きは行われません)
※2019年川内大綱引き開催場所地図
昨年までは大平橋の南の向田側で行われましたが、
今年は3年に一度の大小路側での開催となります。
交通規制は6:00から15:30の間、
大綱を作っている国道267号線の道路が国道3号線との交差点から、
川内中学校までの間で全面通行止めとなります。
そして15:30から23:00の会場清掃終了まで、
大綱引きの会場となる国道3号線上の道路が、
大平橋から国道267号線との交差点までの間で全面通行止めとなります。
公式サイトに交通規制図が掲載される予定ですが、
まだ掲載されていないので、前回大小路で開催された、
以下のページの交通規制図を参考にしてください。
※開催日が違うので注意
川内大綱引きの駐車場って超少ない?川内駅から歩くのが確実かも!?
川内大綱引きに車で行きたいと考えている方もおられると思いますが、
当日に臨時駐車場などは残念ながら設けられないようです。
となると有料の駐車場を利用することになりますが、
朝から交通規制がかかることと、当日は多くの人混みが予想されるので、
車での来場はあまりおすすめできません。
どうしても車で行きたいという方であれば、
以下の駐車場が比較的台数も多くおすすめです。
ただし、当日空いている保証はありませんので
事前に電話で空き状況を必ず確認したほうがよいでしょう。
川内駅西口駐車場
住所 | 鹿児島県薩摩川内市鳥追町8 |
電話 | 0996-23-1266 |
収容台数 | 106台 |
営業時間 | 24時間 |
料金 | (時間貸し)最初の1時間 無料 2時間〜7時間 150円/1時間 7時間〜24時間 900円 (日貸し)1日500円 |
市営横馬場駐車場
住所 | 鹿児島県薩摩川内市横馬場町4 |
電話 | 0996-27-6758 |
収容台数 | 100台 |
営業時間 | 24時間 |
料金 | 最初の1時間 無料 2時間〜5時間 100円/1時間 5時間〜48時間 500円 |
隈之城川公園(くまのじょうがわこうえん)駐車場
住所 | 鹿児島県薩摩川内市若松町10 |
電話 | 0996-23-5111 |
収容台数 | 82台 |
営業時間 | 24時間 |
料金 | 最初の1時間 無料 2時間〜7時間 100円/1時間 7時間〜24時間 600円 |
「駐車場を探すのがめんどくさい」
「交通規制や渋滞が気になる」
という方は、電車で行かれるのが確実です。
JR川内駅から歩いて行かれる場合、
駅の西口から出てそのまままっすぐ行くと、国道3号線につきあたります。
そこを右に曲がってしばらく歩けば、
大綱引きが行われる大平橋に到着します。
大平橋まで駅から距離約1.2キロメートル。
時間にして15〜20分ぐらいです。
歩いていくには少し距離がある感じですが、
出店を眺めたり、お祭りならではの雰囲気を楽しみながら歩くのも、
いいのではないでしょうか?
川内大綱引きの出店グルメの注目は?
お祭りと言えば出店での食べ歩きを楽しみにしている方も
多いのではないでしょうか?
男たちのはげしい闘いが川内大綱引きの一番の見どころですが、
やはりお祭りですから出店での食べ歩きも楽しみたいところです。
毎年、川内大綱引きの行われる会場とそのまわりに、
お祭りならではの出店が立ち並びます。
(出店の情報は過去のものなので、参考にしてください)
内容としては、
- やきそば
- たこ焼き
- イカ焼き
- クレープ
- かき氷
など、おまつりに行けば見かけるものは、ほぼ出そろっているようです。
他にも「極上生フランク」や「箸巻き」なども評判がよくおすすめです。
ただし、川内大綱引きは1日だけなので、
ゆっくり出店を楽しめないかもしれません。
喧嘩並みなので安全な場所で見よう!川内大綱引きの観賞ポイントは?
かつては「けんか綱」とも呼ばれていたほど、
激しくぶつかり合うこともある川内大綱引き。
しかし「綱引き」と言っても、
運動会でやっているような、綱を引っ張り合うだけの競技ではありません。
そこには川内大綱引きならではの、独特のルールがあるので、
基本的なことは押さえておきましょう。
(本年は大綱引きは行われません)
会場と大綱
2019年は国道3号線が川内川を渡る大平橋から、
北に向かう大小路側で行われました。
川内川方面を「下方(しもがた)」、反対の方を「上方(かみがた)」と呼んで、
二手に分かれて大綱を引き合うことになります。
上方と下方の中心には「ダン木」という赤い杭が打たれており、
最初はここに大綱の中心が置かれます。
また、大綱の中心の目印として日の丸が掲げられます。
この日の丸は大綱の中心が動くと一緒に移動します。
大綱は、長さ365メートル、太さ35センチ、重さは7トンにもなります。
あまりに太く直接抱えて引くのは難しいので、
引きやすいように「引き綱」という細い綱が何本もくくりつけてあります。
大綱の両端には「ワサ」と呼ばれる輪っかがあります。
綱引きの途中でどちらかが一方的に引っ張られて負けそうになると、
このワサをダン木にひっかけて、それ以上引かれないようにします。
また、ワサの部分はダン木にかけやすいように、Jの形に曲げてあります。
チーム構成
川内大綱引きは上方(赤色)と、下方(白色)の二手に別れて勝敗を競います。
それぞれのチームには、
「大将」「押大将」「一番太鼓」「ワサ長」「本部長」という中心的な役割を果たす責任者がいて、
その中でも「大将」「押大将」「一番太鼓」が三役と呼ばれ、
大綱引きにおいて重要な役割を果たします。
そしてチームは大きく4つの部隊に分けられます。
引き隊
その名の通り綱を引く役割です。
太鼓の合図に合わせて、大綱の横に出ている引き綱を引きます。
押し隊
相手の引き隊を体あたりで崩して、引けないようにします。
川内大綱引き特有のもっとも激しく中心となる部隊です。
太鼓隊
1番から10番までの太鼓があります。
3千人もの人が、大綱を引くリズムを合わせるための重要な役割です。
ワサ係・ワサ払い
青いハッピやハチマキをして、ワサの部分の周りにいます。
自軍の綱が引かれて負けそうになると、
ワサをダン木にかけて、それ以上引かれないようにします。
周りの人や観客がワサ部分に巻き込まれないように、
人払いをする役目もあります。
では、実際の大綱引きはどのように行われるのか?
その流れを見てみましょう。
まず、神事が終わりそれぞれの部隊が配置に付き、
ダン木のある大綱の中心に審判長と両軍の三役が集まります。
お互いに激しいにらみ合いの中、
審判長の合図と同時に一斉に両軍の太鼓が叩かれ、
大綱引きが始まります。
タイミングを見て押し隊が相手方の引き隊に突撃し、
引き隊を崩して引かせないようにします。
相手方はそれを防戦しながら、スキを見て反撃してきます。
大綱が敵陣に引かれそうになると、
上に乗って動かないようにしたりしますが、
それでも止められずに引かれていくとワサ係がダン木にワサをかけて、
引かれるのを止めます。
その間に負けている側は体制を整えて、
今度は引き返しにかかります。
ワサがあるのでどちらかが一方的に引かれて
あっという間に勝負がつくということはありません。
こういう駆け引きを延々と二時間近くも繰り返していくのです。
そして時間が来ると、審判が大綱をのこぎりで切断し、
その時点で中心を自軍側に持っていたほうが勝ちということになります。
より詳しいルールを知りたい方は、
川内大綱引き保存会のサイトをごらんください。
ちなみに以前行われたときの映像がこちらになります。
最適な鑑賞ポイントはどこになるのでしょうか?
映像を見てもらえばわかると思いますが、
特に大綱の中心付近は人も多く、
かなり激しく争っている様子が見られます。
中心に近いところが一番見ごたえがありますが、
近づきすぎないように注意してください。
安全を確保しながら見物するのであれば車道のほうには入らないように、
ロープがはられた歩道から見ていれば、大きな危険はないでしょう。
特に青い印のワサ係が近づいてきたら、
巻き込まれないように歩道に避けましょう。
しかし、大綱がどちらかに引かれていってしまうと、
目の前に何もなくなってしまうので、
そのときは現場の状況を見ながら自分で判断して、
適度に場所を移動しながら鑑賞したほうがいいですね。
ちなみに、最後のほうになると
観客も参加して綱を引くことができるようです。
もし体力に自信があれば、参加してみるのもいいかもしれません。
でも、くれぐれも怪我をしないように気をつけてください。
勝敗が決した後に大綱はバラバラにされていきますが、
その切れ端は持ち帰ればお守りになるそうです。
最後まで見物した方はぜひ記念にもらって帰りましょう。
川内大綱引きおすすめグルメは?1日だけなのであまり見れないかも?
1日だけ開催される川内大綱引きでゆっくり出店を楽しめない一のために、
お祭り期間以外でも川内駅周辺で食べられる、
薩摩川内市民のソウルフードや、おすすめグルメを厳選して8つ紹介します。
ちんこだんご(駅市薩摩川内:えきいちさつませんだい)
川内駅西口の1Fにある店舗の中で売っている川内名物「ちんこだんご」。
昔ながらのさっぱりとした醤油味に仕上げてあり、
米粉だけで作られているそうです。
なつかしい「おばあちゃんの味」がします。
ちなみに名前の由来は「ちんけ(小さい)」だんごだとか。
駅市薩摩川内
住所:薩摩川内市鳥追町1-1
電話:0996-20-7800
営業時間:8時30分〜19時30分(年中無休)
つけ揚げ(駅市薩摩川内)
魚のすり身を練ったものを揚げたものですが、
鹿児島以外の人には「さつあまげ」と言ったほうがわかりやすいですね。
ぷりぷりとした食感がたまらない一品です。
ちんこだんごと同じ店舗ですが、こちらは火曜が定休日となっています。
牛肉コロッケ(かんだ本店)
薩摩川内市入来町産の牛肉を使った、ジューシーな味わいで人気の牛肉コロッケです。
注文を受けてから揚げるので、
いつも揚げたてが食べられるのも人気の秘密です。
かんだ本店
住所:薩摩川内市東向田町5-22
電話:0996-25-2914
営業時間:10時〜19時
定休日:火曜日、1月1日、1月2日
うま鯛(川内山形屋内 永野商店)
たい焼きの中にあんこではなく、
「う」インナーと「ま」ヨネーズが入って「うま鯛」だそうです。
甘さとしょっぱさを一度に味わえます。
永野商店
住所:薩摩川内市西向田町9-6
電話:0996-23-5361
営業時間:9時30分〜売り切れまで
定休日:川内山形屋に準ずる
から揚げ(福元かしわ店)
昭和38年創業から薩摩川内市民に愛されてきた水玉模様が目印のお店です。
片栗粉だけで揚げたから揚げは、カリッと香ばしい一品です。
福元かしわ店
住所:薩摩川内市西向田町11-14
電話:0996-22-2436
営業時間:10時〜13時/15時〜19時(売り切れまで)
定休日:水曜日、第1・3火曜日
くず饅頭(金谷薬店)
なんと薬屋さんが作るくず饅頭です。
終戦直後の薬が仕入れられないときに作られ始めたそうです。
今では薩摩川内市民に愛される薩摩銘菓となっています。
金谷薬店
住所:薩摩川内市向田本町10-23
電話:0996-22-2696
営業時間:8時30分〜19時
定休日:不定休
がらっぱもなか(フランス川畑)
「がらっぱ」とは川内で言う河童のことです。
かわいらしい河童の形をしたもなかは、
小倉あんと金柑あんの2種類があります。
フランス川畑
住所:薩摩川内市向田本町9-10
電話:0996-23-5251
営業時間:10時〜18時
定休日:日曜日
たまごむっかん(あまつや)
老舗のお菓子屋さんで昔から作られてきた、
卵、砂糖、小麦粉、地酒だけが原料の、素朴で優しい味わいのお菓子です。
卵蒸羹(たまごむしかん)が名前の由来です。
あまつや
住所:薩摩川内市向田本町12-5
電話:0996-22-3388
営業時間:9時〜19時30分
定休日:第3日曜日
以上のように8つ紹介してきましたが、
これらおすすめグルメをお得に食べられる、
「薩摩川内食べ歩きソウルフードチケット」というものがあります。
チケットが8枚ついて700円となっており、
川内駅の観光案内所などで購入できます。
今回紹介した薩摩川内のおすすめグルメを、
大綱引きが始まる前の腹ごしらえも兼ねて、
ぜひ食べ歩いてみてはいかがでしょうか。