お盆の時期になると、毎年の様に海での痛ましい事故の、
ニュースを耳にしますよね…。
私が子供の頃は地元が海に面した土地だった為、
夏になるとよく海水浴に出掛けていました。
しかしお盆の時期が近づくとお婆ちゃんに、
「お盆に海で泳ぐとあの世に連れていかれるからダメだよ!」
と注意されたものです。
当時は本当に怖くて、
「お盆の海には幽霊がうじゃうじゃいるんだ…。」
と鳥肌ものでした。
しかし、お盆の時期は例年残暑も厳しくて、
海水浴で涼みたい!と思うものですよね。
「お盆の海で泳ぐと、幽霊に足を引っ張られて、
あの世に連れて行かれる」
と言うのは昔から多くの地域で語り継がれています。
その理由には、海はあの世とこの世との境目なので、
お盆の時期に海に入ると、
「あの世に帰る霊に一緒に連れて行かれてしまう」
と信じられてきた事もあります。
また、この時期の海は海水浴に適さない環境にある、
と言う事を昔の人は知恵として知っていたのでしょう。
実際、噂や迷信だけでなくお盆時期の海は、
危険が一杯なのですよ。
お盆は時期的に台風が発生しやすくなりますよね。
海は台風の影響を受け、日常では見られない様な、
大波を発生させる事があり海水浴には適しません。
さらにクラゲが大量に発生する時期でもありますよ。
また温かい海水と冷たい潮の流れが混ざり合う為、
温度差が激しくなり、急に冷たい海水に触れると、
心臓発作や筋肉の痙攣等が、おきやすい為溺れる危険性が、
高まるのです。
それでは、お盆時期の海にまつわる噂話や本当の理由等を、
詳しくご紹介いたしますよ。
単なる噂や迷信と油断しないで、お盆時期の海の危険を、
しっかりと認識し、海の事故を未然に防ぎましょう。
お盆に海に入ると足を引っ張られる噂は本当?
お盆は死者があの世からこの世に里帰りし、
再びあの世へと帰る時期とされています。
お盆時期は一般的に8月13日~16日の4日間ですね。
初日の盆の入りには迎え火を焚いて先祖の霊をお迎えし、
最終日の盆明けには送り火を焚いてあの世にお送りします。
地方によって盆明けには、精霊流しと言って先祖の霊と共に、
お供え物や飾りつけを海や川に流す習わしがありますね。
海や川はこの世とあの世を結ぶ道として信じられてきました。
またお盆の時期には行き場のない霊が海に彷徨っていて、
海に入ると悪い霊に、海の底に引きずり込まれる、
等とも言われています。
この事からお盆時期に海水浴に行くと、
「足を引っ張られてあの世へ一緒に連れて行かれる」
と言われるようになったのですよ。
科学が発達し情報が共有されるようになった現代では、
「そんなの迷信だから信じない」
と言う人も多いと思います。
しかしお盆時期の海は危険と言う確かな理由があるのですよ。
次にその理由を見ていきましょう。
お盆の海が危険だと言われるのには理由があった!
お盆の海は昔から言い伝えられている話の他に、
危険な要素が増える時期でもあります。
例えば夏の土用の時期に発生する「土用波」は、
遠洋に発生した台風の影響で、普段は波の穏やかな海岸でも、
突然予想もしない大波が押し寄せる現象を起こします。
丁度お盆の頃は、台風が発生する時期ですから、
土用波が起きやすくなり、更に大潮の時期と重なる事もあります。
この時期に海水浴をすると高波にさらわれる可能性が、
とても高くなり大変危険なのですよ。
また「お盆過ぎはクラゲがいるから海水浴はダメ」
とよく言われますよね。
確かにお盆辺りの時期は海水温が高くなり、クラゲの生育が、
進む時期です。
猛暑が続く年はクラゲが大発生する時期が早まる事もあり、
既にお盆の時期は毒針を持ったクラゲがいる場合もありますよ。
クラゲに刺されると痛いだけでなく、時にはパニックになって、
溺れる事もありますし、死に至る様な毒を持ったクラゲも、
存在しますから、たかがクラゲと侮れません!
また、お盆時期の海は「離岸流」が発生する危険性もあります。
離岸流とは海岸から沖に向って流れる強い引き潮の流れです。
土用波の影響でも発生率が高まります。
一度離岸流の流れに乗ってしまうと、どんどん沖へと、
流されてしまい、アスリートでも脱出するのは困難だと、
言われていますよ。
昔の人が言う「足を引っ張られる」と言うのは正に、
離岸流の事なのかもしれませんね。
この様にお盆時期の水難事故は、霊の仕業と言う前に、
海水浴をするには、海の環境がとても危険な状況である、
と言う事ですね。
お盆に海の事故はなぜ多い?注意すべきことは?
お盆の時期になるとニュースでよく耳にする海での事故。
お盆は海の事故がとても多いと言う事は、
皆さん実感されている事と思います。
しかし何故、毎年海の事故はなくなる事がないのでしょうか?
お盆の時期は、お休みの人が多くなりますし家族での帰省や、
友人同士でレジャーを楽しむ機会も増えますよね。
友人や親戚等に誘われて海に遊びに行く事もあるでしょうし、
夏の暑さから海水浴に行きたくなる事もあるでしょう。
普段は十分気を付けている海でも、休暇の開放感から、
注意力が鈍る事もあるかもしれませんね。
昔の人は地元の危険な海や川をよく知っており子や孫に、
伝えてきました。
私の実家も海に面した土地でしたので、危険な海や川は、
子供の頃からよく言い聞かされて育ちましたよ。
しかし地元民には知られていても、他県から遊びに来た人は、
分からない事も多いですし、遊泳禁止の看板がある海でも、
危険性が実感できない為なのか、構わず泳いでいる人もいます。
結果、悲しい事故に繋がってしまう事も少なくありません。
お盆の時期に海に遊びに行くのは危険を伴うと言う事を、
認識する事が大切ですし、行く場合は目的地の海の情報を、
出来るだけ集める事をおすすめしますよ。
土用波が発生しやすい時期と言うものもありますし、
大潮の時間や高波、遠洋の台風情報等も把握しておく、
必要がありますね。
まとめ
今回はお盆の海についての噂やお盆の海が危険な理由を
ご紹介させて頂きました。
「お盆は海で泳いじゃダメ」と言う昔からの言い伝えは、
霊的なものだけでなく、きちんとした理由があるのですね。
昔の人はお盆の海が危険と言う事が分かっていたから、
あの世や悪霊と結び付けて、子や孫に注意を促して、
いたのかもしれません。
古くからの迷信や噂には、昔の人の知恵や実体験に基づいた、
ものが多いですから、聞き流さずに耳を傾けてみる事も、
必要ですね。
お盆は海の事故に十分注意して、楽しい休暇をお過ごし下さい。