「お盆」の時期はお墓参りをする為に帰省する人も多いと思います。
でも春や秋の「お彼岸」の時期にもお墓参りをしますよね。
日本の伝統文化である「お盆」と「お彼岸」。
この二つの行事に違いはあるのでしょうか?
お盆とお彼岸はどちらも、亡くなったご先祖様を供養する、
と言う共通点がありますが、その目的に違いがあるんですよ。
簡単に言うと、お盆はご先祖様がこの世へと里帰りに、
やって来る日です。
私達はご先祖様の霊をお迎えし供養して再び、
あの世にお送りします。
一方、お彼岸は私達がお墓参りに行く事で、
あの世にいるご先祖様に会いに行き感謝の気持ちを、
伝える日なんですよ。
お盆は地域によって違いはありますが一般的に8月15日前後、
地域によっては7月15日前後で、期間は約3~4日間、
夏の時期に行われます。
お彼岸の日は、春分の日と秋分の日で一年に2回あります。
それぞれ前後3日間、合計7日間になりますよ。
お盆はこの世に里帰りしたご先祖様をおもてなしする為に、
様々なお供え物をします。
果物やお菓子等もお供えしますが、キュウリやナスで作られた、
「精霊馬(しょうりょううま)」もお供えされますよ。
精霊馬はご先祖様があの世とこの世を行き来する際の、
乗り物として使われると言われています。
ご先祖様にお出しする食事には、一汁五菜の精進料理の、
お膳を用意しお供えしますよ。
一方、お彼岸にはお盆の様な盛大な飾りつけはありませんが、
「ぼたもち」や「おはぎ」を仏壇やお墓にお供えする、
習慣があります。
それでは次にお盆とお彼岸の違いやお供え物の意味等、
詳しくご紹介いたしますね。
お彼岸に墓参りをする意味とは?お彼岸とお盆での意味の違い!
「お盆にお墓参りしたばかりなのに、またお彼岸にするのは何故?」
「お墓参りはお盆かお彼岸かどちらか一回でいいのかな?」
ふと、そんな疑問がわいてきますよね。
実は、お盆にするお墓参りと、お彼岸にするお墓参りは、
意味合いが違ってくるんですよ。
お盆にはご先祖様がこの世に里帰りに来ますから、
お盆の初日にお墓参りしてご先祖様の霊をお迎えします。
お盆が終わると、ご先祖様をお墓までお送りする為に、
お墓参りに行くんですよ。
しかし、お彼岸の場合は少々目的が違ってきます。
仏教ではご先祖様のいるあの世は「彼岸」と言われ、
私達がいるこの世を、「此岸(しがん)」と言います。
彼岸は遙か西の方角にあると言われていますが、
丁度春分の日と秋分の日には、此岸のある真東から太陽が昇り、
彼岸のある真西に沈みます。
彼岸と此岸が最も近くなる春と秋のお彼岸の日には、
私達がお墓参りをする事で、彼岸の境目にいる、
ご先祖様の元に会いに行き、ご先祖様を敬い感謝の気持ちを、
伝える日とされているのですよ。
お盆はご先祖様を送り迎えする為のお墓参りで、
お彼岸は彼岸にいるご先祖様に会いに行き、
感謝の気持ちを伝える為のお墓参りと言う事ですね。
お彼岸には春と秋があった?実は全然違った季節ごとの意味!
お彼岸は春分の日と秋分の日の年2回あります。
春分の日に行われるのが「春彼岸」、
秋分の日は「秋彼岸」、と呼ばれていますよ。
どちらも太陽が真東から登って、真西に沈む日でもあります。
ご先祖様のいる彼岸と、私達が生きる此岸が最も近づく日、
とされている為、お彼岸は年に2回あるのですね。
ご先祖様と近づく事で、私達の思いも届きやすくなり、
供養する心や感謝の気持ちも伝わりやすくなるのです。
春と秋、両方ともご先祖様のお墓参りに行き、
供養すると言う意味では違いがありませんが、
春と秋ではお供え物に違いがあるんですよ。
一般的に春彼岸には「ぼたもち」、秋彼岸には「おはぎ」を、
お供えします。
「ぼたもち」と「おはぎ」は同じあんこで作られていますが、
ぼたもちはこしあんで、おはぎは粒あんを使用しますよね。
この違いには理由があるんです。
あんこの原料となる小豆は秋に収穫されます。
収穫されてすぐの小豆は、粒が柔らかく美味しい為、
秋彼岸には粒あんで食べる「おはぎ」を作りました。
年を越した小豆は固く舌触りも悪い為、丁寧にこして、
美味しく食べる為にこしあんの「ぼたもち」を作ったんです。
正に昔の人の知恵ですね。
ちなみに現代は小豆の保存技術も進みましたので、
年を越した小豆でも美味しく頂ける様になりましたよ。
しかし昔からの習慣で春にはぼたもち、秋にはおはぎが、
お彼岸の定番のお供え物として伝わって来たのです。
春と秋のお彼岸は行う季節やお供え物に違いはありますが、
ご先祖様を敬い感謝する気持ちに変わりはありませんね。
お彼岸とお盆、それぞれのお供え料理は実は意味が全く違っていた?
お盆はご先祖様が里帰りに来る日ですから、私達はご先祖様に、
喜んでもらえる様な、おもてなし料理をお供えします。
地域や宗教により違いはありますが、一般的に、
一汁五菜をお盆棚と言われる祭壇にお供えしますよ。
お盆棚にはお菓子や果物等も一緒にお供えしますが、
ご先祖様がすぐに食べられる様にと言う思いを込めて、
果物ならカットし、お菓子なら包装紙から出して、
お皿に盛り付けお供えします。
お膳には肉や魚等、殺生を連想させる食材は避け、
野菜や豆腐等を使用した精進料理を盛り付けますよ。
お盆期間中はご先祖様と私達が一緒に食事をし、
おもてなしの気持ちを込めて団らんの時を過ごします。
お彼岸の場合は私達がご先祖様がいるお墓に、
会いに行く日ですね。
お彼岸の時期のお供え物としては、先ほどご紹介した、
「おはぎ」や「ぼたもち」をご先祖様にお供えするのが、
一般的です。
おはぎやぼたもちの原料には、小豆が使われていますが、
古来、小豆には邪気を払う力があると信じられてきました。
また、昔は砂糖を使った料理は大変貴重な食べ物だったので、
ご先祖様にお供えするものとして相応しいと、
考えられていたのですね。
その事からお彼岸の時期にはおはぎやぼたもちが、
先祖供養として食べられるようになったのです。
その他に、お彼岸の時期にご先祖様にお供えするお膳は、
お盆の時と同じ精進料理です。
一汁三菜を基本とし、季節の野菜を取り入れたお膳を、
準備しますよ。
お彼岸の代表的な料理に「精進揚げ」があります。
精進揚げは肉や魚を使わず、野菜のみの天ぷらになります。
また、地域によっては「彼岸そば」「彼岸うどん」と言い、
お彼岸の時期にそばやうどんを食べる習わしがある、
所もありますよ。
ご先祖様に心をこもった精進料理を作り、
それを私達も一緒に頂くと言う事がご先祖様への、
何よりの供養となるのですね。
まとめ
今回はお盆とお彼岸の違いについてご紹介いたしました。
お盆とお彼岸は何となくお墓参りをする日と言う、
イメージがありますが、詳しく知ると色々な違いが、
あるんですね。
今の私達がこの世に生きているのは、ご先祖様からの繋がりです。
お盆やお彼岸にはご先祖様に、感謝の心を伝えると共に、
自分自身を振り返る大切な日として過ごしていきたいものですね。